7月16日(火)いよいよ解体作業が始まりました。
先ずは瓦屋さんが屋根から瓦を一つ一つ丁寧に手で下してゆきます。
竹の上に土、土の上に瓦が葺いてある様子がよくわかります。
この手作りの赤瓦は、現在では手に入りにくい貴重な瓦です。
シーサーも気を付けて下します。
使えない瓦・使える瓦を選別し漆喰を落とします。
その作業は3日続き、丸瓦は1,000枚、平瓦は2,500枚取れました。
7月19日(金)から建物の解体作業に取り掛かります。
再利用できそうな材木を一本一本丁寧に取っていきます。
材木が黒く見えるのはススがついているからです。このススが重要なのです。
シロアリに喰われていない、まだ使える部分を再利用します。
私が何故古材にこだわるのか?それは古材には次のような良い点があります。昔の材木の方が質が良い。製材したばかりの材木より強度が増している。昔は煮炊きにカマドを使っていました。このカマドから出る煙によって材木が燻され、材木についたススが更に材木を固くさせ、防虫効果を生み出します。先人の賢い知恵なのです。建築から50年以上経っても使える材木があります。しかし、この空家は、長い間風雨にさらされいるので腐っている材木もたくさんあります。
分解していくと、この時代の木造建築の特徴がよくわかります。
釘を一本も使わず組んで建てられています、その証拠となるホゾ。
土台となる石の上に柱が乗っています。
束石と柱は固定されていません、台風対策の為です。
ほぼ1日で解体作業は終了しました。