津嘉山酒造所は大正13年、名水の地・国頭郡名護町(現在の名護市)に創業した。
沖縄にただ一つ残る戦前の泡盛工場。
従業員3名のこの小さな工場では、今もなお手作りで泡盛が造られている。
年間の生産量は大手泡盛メーカーの1日分にも満たない。
仕込みから瓶詰め、ラベル貼りに至るまですべてが手作業。
酒造所兼住宅は昭和3年に建てられ、赤瓦が葺かれた沖縄の伝統的な木造建築様式を今に残し、歴史的・文化的にも重要で国の登録有形文化財になっている。
昭和3年、建築当時の外塀。
昭和20年4月、アメリカ軍は名護湾から上陸し町のほとんどの建物を破壊した。津嘉山酒造所は奇跡的に戦火を逃れたが、戦後建物は接収されアメリカ軍の事務所やパン工場に使われた。梁に書かれた英字が当時を物語る。
小規模・小生産ながらもあくまでも手作りにこだわる津嘉山酒造所の泡盛は、1本1本丁寧に造り上げられ、その深い味わいと口当たりの良さに愛飲家のファンも多い。
銘柄の「國華」は国頭郡の泡盛の華になるようにと創業者が名づけた。店頭ではなかなかお目にかかれない「國華」と酒造所限定販売の「六諭」が無料で試飲できる。
津嘉山酒造所の建物と、そこで今もなお営まれている泡盛造りを守る為に保存会も生まれている。
工場見学は要予約。
合資会社 津嘉山酒造所
名護市大中1-14-6
0980-52-2070
http://www.awamori-kokka.co.jp/